心理的瑕疵について
前回、事故物件の話をしたので、今回は心理的瑕疵について書きます。
心理的瑕疵とは?
心理的な観点から物の「欠陥(キズ)」という意味で、自殺や殺人など過去の嫌悪すべき事実によって本来あるべき住み心地が悪くなっている状態のことを言います。
自殺や殺人の他にも火災が発生したこと・反社会的な宗教団体の活動拠点であったことなども該当します。
こうした事実を買主が事前に知らされないまま不動産取引をしてしまうと、後々トラブルになることがあります。
では、心理的瑕疵かどうかの判断はどうするのでしょうか。
これについては個別性の原則が大前提となっており、明確な法令や基準というものはありません。
とはいうものの、いくつかの判断要素があるとされています。
「心理的瑕疵」の判断要素
- 事故・事件の印象の強弱、人々の内心に与える嫌悪感の程度の強弱
- 建物の中か外か
- 地域性(人口密度や他者への関心度の強弱)
- 契約の目的が居住用か事業用か
- 特約の有無
- 被害の態様・規模、時間の経過等
トラブルにならないためには事前の確認が大切です。
投稿日:2019/10/03 投稿者:中村 芳樹