相続時精算課税制度について
先日、中古住宅購入のご契約をしたお客様からご相談を受けました。それは、母親から売買金額の全額を負担してくれるのだけれど、贈与税がかからないか心配だとのことでした。
贈与税が発生するときは、「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」のどちらかを選択します。「暦年課税制度」は、毎年110万円の基礎控除があり、差額の大きさに応じて贈与税率が変わります。一方「相続時精算課税制度」は、2500万円の特別控除があり、その差額に対して一律20%の贈与税がかかります。相続発生時に既に支払った贈与税額を相続税額から控除します。
相続時精算課税制度を選択して中古住宅の購入資金に充てるためには、住宅に対して一定の要件があります。
①その家屋の床面積の1/2以上の部分が専ら自己の居住用であること
②床面積が50㎡以上であること
③次のイ・ロのいずれかであること
イ.築20年(耐火建築物の場合は25年)以内であること
ロ.築年数に関わらず、新耐震基準に適合することが証明されたもの又は既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入しているもの
今回のお客様が購入された中古住宅は、耐震基準適合証明書がとれましたので、相続時精算課税制度が使えました。耐震基準適合証明書を取るのに多少費用がかかりますが、それでもメリットの方が大きいです。
このように中古住宅でも、築20年(25年)以内であるか耐震リフォーム済のときは、耐震基準適合証明書が取れないか確認してみると良いでしょう。
投稿日:2019/08/10 投稿者:中村 芳樹